へぇ〜

「巨人軍論」(野村克也、角川oneテーマ21) 小さい頃は巨人ファンだったのですか。まあ野村が憧れた巨人と今の巨人は別物だとは思うが、少しずつ巨人がマトモに成ってきた気はするね。 まあ、ええんちゃう。

血統本としては弱いが

「名勝負に学ぶ適性競馬論」(横手礼一、競馬王新書) 「名勝負物語」+「血統論」という本。まあ、切り口が面白いので読んでみた。「適性競馬論」と呼ぶには大げさ。いつものことだから驚かないが。それより名勝負の話のほうが面白い。1.ウオッカvsダイワス…

次は与次郎を

「うらなり」(小林信彦、文春文庫) 夏目漱石の「坊つちやん」に出てくる古賀(あだなは「うらなり」)という教師を主人公にした時点でこの小説の成功は約束されたものだ、と私が言っていいのか。でも実際そうだろう。 「坊つちやん」(ワザと旧表記にして…

ラスヴェガス行きたい

「ラスヴェガス物語」(谷岡一郎、PHP新書) 副題は「『マフィアの街』から『究極のリゾート』へ」となっている。 私もあと2年ほどで勤続20年を迎える。すると会社から5日のお休みが貰える(お金は貰えない)。私はその休暇を函館競馬場(最終週)〜札幌競馬…

ぶっ飛び

「トンデモ本の世界」(と学会・編、洋泉社) 確かに笑える本。ただ「トンデモ本」を書いている人がホントに「アタマパー」なのか、ワザと金儲け(実際売れているので儲かっているハズ)のために書いているのかは微妙。後者だとすれば「と学会」のほうが負け…

とある居酒屋で

すごい阪神ファンのオッサンが語ってくれた。 「オリの中の虎 愛するタイガースへ最後に吼える」(岡田彰布、ベースボール・マガジン社新書) 誰か「そら」が何回出てくるか数えてくれ。 オレはしない。しんどいもん。

ホントこれどっちかが死ぬまで(ry

「たまりませんな」(伊集院静・西原理恵子、角川文庫) 「週刊大衆」(サイバラ画伯曰く「毛だわし本」)に連載されているエッセイ(「アホー鳥が行く」)をまとめたもの。今まで「アホー鳥が行く」、「それがどうした」、「ぜんぜん大丈夫」の3冊が出てい…

TSUGARU

「津軽」(太宰治、新潮文庫) 太宰治が生まれ故郷の津軽を紹介している。ええんちゃう、と思う。 津軽は演歌に人気がある。「津軽」の冒頭に紹介されている「津軽の雪」すなわち「こな雪 つぶ雪 わた雪 みず雪 かた雪 ざらめ雪 こおり雪」は新沼謙治の「津…

鼠に仏心ありやなしや

「ブンナよ、木からおりてこい」(水上勉、新潮文庫) 私が働いている製鉄所の産業医で同じボート部のM女史は、女優でもあり、「劇団ここから」の劇団員である(http://www7a.biglobe.ne.jp/~gekidan_kokokara/indx.html)。そこが、新しい演出で「ブンナ〜…

馬券には役にたちません

「競馬必勝放浪記」(元木昌彦、祥伝社新書) 競馬に関する新書や文庫が出るとつい買ってしまう。この本もその一つ。著者と競馬好きの有名人(多くは作家)との交遊録のようなものか?その辺が面白い。 この本に出てくる人を順に挙げると、山口瞳、大川慶次…

ホラー?

「岡山女」(岩井志麻子、角川ホラー文庫) 以前読んだ「べっぴんぢごく」(http://d.hatena.ne.jp/TAD-O-TAD/20081207)なんかに比べると、あっさりしすぎという感じがする。死霊や生霊なんかが出てくるのだが怖くない。どころか、近頃「聖(セイント)☆お…

科学の外側

「偶然のチカラ」(植島啓司、集英社新書)私の敬愛する学者に谷岡一郎氏がいることはどこかで書いたが、好きな学者の中に植島啓司氏がいる。純粋に統計学や確率論の話をすれば、谷岡氏に軍配が上がるのだが、植島氏のほうは科学の枠組みの外側の話をしてく…

ちょっとクドい

「壁」(安部公房、新潮文庫) 芥川賞作品。だからどうした。 高校の時の教科書に「赤い繭」が載っていて、それをふと読みたくなったので、ついでに全編読み返してみた。 ちょっとこの手の作品は苦手。言いたいことはなんとなく分かるけど、回りくどすぎると…

エドガー…ラン…ポー

「人間椅子」(江戸川乱歩、角川ホラー文庫) 子供向けの江戸川乱歩は小学生の頃よく読みました。 大人向けのはこれが初めてで、新鮮でした。 ホラーというのではないですけど、独特の雰囲気がありますよね。少し前に書いた谷崎とも違ってて。上手く表現でき…

丑年ももうすぐ終わり

1ヶ月以上放置してました。 これから詰めて書かないとヤバイ〜「十牛図入門」(横山紘一、幻冬舎新書) 「禅」の本です。高校時代、宗教の授業(仏教系の私立学校なので、そんなのがあったのです)でやりましたが、ほとんど忘れていたので読んでみました。た…

大正ロマン

「谷崎潤一郎犯罪小説集」(谷崎潤一郎、集英社文庫) もしタイムマシンがあって、どこかへ連れて行ってあげると言ったなら、迷わず「明治・大正の東京」と答えるであろう。追いつこうとする物の必死さ。新しいモノを手に入れた嬉しさ。その他いろんな「気」…

軽井沢シンドローム

「風立ちぬ・美しい村」(堀辰雄、新潮文庫) 「軽井沢シンドローム」(たがみよしひさ、小学館)という漫画を読み始めたのは、高校時代だっただろうか。そのころから漠然と「軽井沢」という土地に憧れを持つようになっていた。 「風立ちぬ・美しい村」を初…

下ネタオヤジだがオレは好き

「美女と野球」(リリー・フランキー、河出文庫) リリー・フランキーといえば、「東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜」であろうが、この映画を観ていない私の中では「おでんくん」。もともと絵本であったのをNHK教育がアニメにした。NHKもなかな…

野球が好きであるがゆえ

「泳いで帰れ」(奥田英朗、光文社文庫) アテネオリンピックの観戦記。彼のスポーツモノは好きである(「野球の国」(http://d.hatena.ne.jp/TAD-O-TAD/20081206)も参照してね)。小説はまだ読んだことがない。精神科医のシリーズでも読んでみるか? さて…

咆哮

「新樹の言葉」(太宰治、新潮文庫) 家に古本があったのに、本屋で買ってしまった。迂闊。 未完の作品1編(火の鳥)を含む15編の作品が収録されている。正直言って作者が太宰でなかったら今まで残っていたかどうか…という作品もちらほら。 裏表紙から引用……

三国志

「柴錬三国志 英雄ここにあり 上・中・下」(柴田錬三郎、講談社文庫) 「レッドクリフ」の前編がテレビでやっていたので、つい三国志を読みたくなった。吉川英治の「三国志」は高校の時に読んだので手元に本がない。たまたま古本屋で買って置いてあった(1…

読書感想文

「限りなく透明に近いブルー」(村上龍、講談社文庫) mixiの日記にも書いたが、いつだったか「新装版」が出たというので本屋に見に行ったのだが、表紙からリリーの横顔が消えていた。あかんでしょ、それ。よく村上さんが許したもんだと思う。あとがきを引用…

早熟なのか普通なのか

「肉体の悪魔」(ラディゲ、中条省平・訳、光文社古典新訳文庫)原文のタイトルは"Le diable au corps"。どこかで聞いたことがあると思った人は漱石ファン、かな。「三四郎」の中の学生集会の場面で誰かが、"Il a le diable au corps"と叫ぶ場面がある。「三…

川上未映子ですか(-。-)ボソッ

「パンドラの匣」(太宰治、新潮文庫) 「パンドラの匣」と「正義と微笑」が収められています。「パンドラの匣」は書簡形式、「正義と微笑」は日記形式。私としては日記のほうが好きなのですが、まあそんなことはどうでもいいです。 太宰の生誕100周年にあた…

「躁」と「軽躁」のあいだ

「問題は、躁なんです 正常と異常のあいだ」(春日武彦、光文社新書) 「うつ」について書かれた本はむちゃくちゃ多いが、「躁」について書かれた本は少ない。それでも専門書れべるにならあるが、こうした新書形式のものはほぼ皆無。だからこれは非常にレア…

起こらないことが起こる

「賭博者」(ドストエフスキー、原卓也:訳、新潮文庫) 「0」や「00」を考えなければ、ルーレットで赤(ルージュ)が10回続けて出る確率は、1024分の1。20回連続して出る確率は、1048576分の1。しかし、世界中のルーレットの台数、世界中でルーレットが回さ…

盤外でも個性的な棋士

「升田幸三物語」(東公平、角川文庫) 毎年表彰される「将棋大勝」の中に「升田幸三賞」というのがある。「木村義雄賞」も「大山康晴賞」もない。そこがすごいと思う。 棋士は全て棋風を持ち、そこに個性が現れるという(私はヘボなのでよく分からんが)。…

ボート部でも漕艇部でもない

結局5月はアップなしか。とりあえず駄文は放っておいて、読んだ本の記録だけは取っておこうと思う。「花ざかりの森・憂国」(三島由紀夫、新潮文庫)自選短編集である。13篇の短編。「憂国」は映画にもなったほどだから有名だろう。「死とエロス」。どうもこ…

蟻とか細菌とか…女とか

「砂の女」(安部公房、新潮文庫)インドのジャンケンは人差し指と親指と小指でやると聞いたことがある。人差し指は人間。親指は象。小指は蟻。人間は蟻に勝つが、象に負ける。必然的に象は蟻に負けるのだ。小さいものが大量にやってくるのは、怖い。究極は…

寺撮りしたい

「陰翳礼讃」(谷崎潤一郎、中公文庫) カメラを趣味の一つにして、「光と影」について考えることが多くなった。そんなわけで学生時代に読んだこの本を引っ張り出してくる。この文章を読んで真っ先に頭に浮かぶのは、父の実家である山口県の顕孝院というお寺…