次は与次郎を

TAD-O-TAD2009-12-12

「うらなり」(小林信彦、文春文庫)


夏目漱石の「坊つちやん」に出てくる古賀(あだなは「うらなり」)という教師を主人公にした時点でこの小説の成功は約束されたものだ、と私が言っていいのか。でも実際そうだろう。


「坊つちやん」(ワザと旧表記にしている)を読んでたら読め、と言いたい。


問題は作者自身が「創作ノート」で述べているが、「現代の読者が『坊っちゃん』を読んでいるかどうかである。」点である。私にすれば、「そんなん当たり前やん」と思うのだが、どうやらそうではないらしい。試みにヨメに尋ねてみると、「純文学は好きじゃないので読んでない」と言われた。そうか……でもこの小説は「坊っちゃん」を読んでから読んで欲しいよな。