何か、青いな(-。-)ボソッ

TAD-O-TAD2007-05-13

「ジョッキー」(松樹剛史集英社文庫
長らく積読状態だったのだが、同じ作者の「GO-ONE」(集英社文庫)という書き下ろしが出たので、そちらを読む前に読んでみることにした。まあまあ面白い。でもそれは私が他の一般の人より競馬をよく知っているからだろう。藤代三郎が解説で「競馬の内側に視点を置い」たものとして評価しているのも分かる。彼も競馬ファンだから。逆に競馬ファンからすると、競馬を知らない人に向けたであろう「説明」が邪魔なのだ。「麻雀放浪記」に麻雀の説明があったか?まあ、そういうことよ。あとは登場人物がステレオタイプ気味。馬主の伊能なんて、おおもう…。それからこれは年のせいか、いわゆる「青春小説」が漫画(もしくはアニメ)の原作みたいに感じることがある。夏目漱石の「三四郎」を読んでも(これを宮崎駿がアニメにしたら…)とか考えてしまう。というわけで、読後の感想は表題の通り。出来ればこの作者には、この小説の主人公(中島八弥)の兄弟子である糺健一の物語をガッツリ書いてもらいたい。