2008-01-01から1年間の記事一覧

ダーク

「べっぴんぢごく」(岩井志麻子、新潮文庫) 「明治、乞食、岡山の寒村」 もうこれだけで「あああぁぁぁ」となってしまう。 代々女しか生まれない家。明治から平成に続く六代の女たち。 美→醜→美→醜?→美→醜 この中には性のタブーが(全部ではないが)ふん…

オレも高知に行ってみたい(-。-)ボソッ

「野球の国」(奥田英朗、光文社文庫)あちらこちらに出かけて行って「野球を観てきた」紀行エッセイ。2002年に書かれているので、今読むとちょっと懐かしい気分になれる(金本がまだ広島にいる)。他にも作者のこだわりがちらちら見受けられる(映画とかホ…

打倒あるある(無力)

「擬似科学入門」(池内了、岩波新書)ウチの居間のエアコンには「マイナスイオン発生機能」がある。使ったことはないが。何でそんなモノを買ったのかというと、当時(2000年)のエアコンは「マイナスイオンにあらざればエアコンにあらず」的な風潮だったか…

また補強するのかなあ(-。-)ボソッ

「巨人軍に葬られた男たち」(織田淳太郎、宝島SUGOI文庫)プロ野球の「讀賣巨人軍」には正力松太郎が掲げたという、「巨人軍憲章」なるものがあるらしい。それによると…「巨人軍は常に強くあれ」 「巨人軍は常に紳士たれ」 「巨人軍はアメリカ野球に追いつ…

ベンチがアホやから…

「八甲田山死の彷徨」(新田次郎、新潮文庫) トップに立つ者がアホやとどういうことになるのか。 生死のかかった場面で精神論を掲げることがいかに危険であるか。 絶対服従ということがいかに理不尽なことであるか。 他にもあるけど、とりあえずこれぐらい…

原因を辿ってみると…

久しぶりの日記(?)です。 「破滅−梅川昭美の三十年」(毎日新聞社会部編、幻冬舎アウトロー文庫)私は1966年生まれなので、「あさま山荘事件」の時にはすでに生まれていた。しかしこの事件の記憶は全くない。私が物心ついてから起こった最初の社会的重大…

ソーーーーー!

「水に似た感情」(中島らも、集英社文庫) 中島らもは、「躁」状態になると万能感に浸ると言っているが、私は少し違う。私の場合は「強い正義感」が溢れ出てくる。だから少しのルール違反、マナー違反が許せなくなる。信号無視に対してはクラクションを鳴ら…

すごい気力

「聖(さとし)の青春」(大崎善生、講談社文庫) 「聖」とは、平成10年8月8日29歳で亡くなったプロ将棋棋士、故村山聖八段(贈九段)のことである。 子供の頃からネフローゼを患い、大人になってからは進行性膀胱ガン→腎臓と膀胱を摘出→ガンの再発といった…

戦犯なんていいかげん

「731 石井四郎と細菌戦部隊の闇を暴く」(青木冨貴子、新潮文庫) 第二次世界大戦中の「関東軍第七三一部隊」についてのノンフィクションで有名なのは、森村誠一氏の「悪魔の飽食」(現在では「新版」として角川文庫)である。「悪魔の飽食」が「戦争の悲惨…

野球入門

「松蘿玉液」(正岡子規、岩波文庫) いわゆる正岡子規の四大随筆の一番目。「仰臥漫録」のころはすでに起き上がることも出来なかった子規だが、この随筆は「病やや間あり、杖にすがりて手のひらほどの小庭を徘徊す。」という文から始まる。舌鋒も鋭い。伊藤…

データブック?

「コースの鬼!コースの読み方&全G1レース解析編」(城崎哲、競馬王新書) 読み始めて、洋芝と野芝の話が延々と続くので、いつ終わるか不安になった。そんなことを知ったところで、どう馬券に結びつけられるのか?(第1,2章) あとは事象の説明。(第3,4…

君が楽しいのは分かった

「『書』を書く愉しみ」(武田双雲、光文社新書) 私のお習字もサボリ癖がついてしまって、もう去年の9月からやってない。気が付けば2月である。調べたところによると、地元の公民館で木曜の18時半から書道教室をやっているらしい。入ろうかどうしようか考え…

ふふふふふ(意味なし)

「はじめまして数学【3】二階建ての数「分数」の世界」(吉田武、幻冬舎文庫) 3巻目にしてようやく分数(有理数)が語られる。なんと虚数よりも後に。このあたりが、この著者の素晴らしいところだと思う。ちゃんと筋道が立っているのである。しかも分数の計…

こんな旅したい

「もし僕らのことばがウィスキーであったなら」(村上春樹、新潮文庫) とあるブログで紹介されていたので、すぐ買ってすぐ読んだ。 ウィスキーをテーマとしたアイラ島(スコットランド)とアイルランドの旅行記。奥様の写真も併せて載せられていて豪華。 私…

「斜陽族」って死語だよね

「斜陽」(太宰治、新潮文庫) 「貧乏!あれが!今度「レ・ミゼラブル」持って行くからな!」(そういえばお前、仏文やろ)。 それはさておき。「名家に生まれる。でも麻薬中毒。女、とっかえひっかえ。最後に自殺。」誰が読んでも太宰の人生の集大成、って…

基本の基本?

「はじめまして数学【2】ベクトルをまわせ、ドミノを倒せ!」(吉田武、幻冬舎文庫) 昨日の続き。どうやら小学生向きらしい。どうりでやたらとふりがながふってあるわけだ。しかし、副題の「ベクトルをまわせ」に伴って「虚数」が、「ドミノを倒せ」に伴っ…

基礎の基礎1

「はじめまして数学【1】自然数を追え、無限を掴まえろ!」(吉田武、幻冬舎文庫) 昨日図書館で借りてきた本のうちの1冊。初出はどこか分らないのだが、多分中学生向けかな。大人でも、苦手だった数学にちょっと触れてみようかな、という人にはオススメ。…

What’s Lily?

「猫と庄造と二人のおんな」(谷崎潤一郎、新潮文庫) 実は今年の読み始めはこの本にしようと思っていたのである。ネズミ年だから(-。-)ボソッ。「吾輩は猫である」でもいいが、長いわりにはそれほど面白くないからね。この本はなかなか面白い。 舞台は戦…

数楽

何に「美」を感じるかは人それぞれ。ただ、モネの絵画に「美」を感じる人は多いけれども、数学に「美」を感じる人はその10分の1もいないだろう。 両方、両方よ… 何年か前、「博士の愛した数式」(小川洋子、新潮文庫)がベストセラーになり、映画にもなった…

がんばってください(-。-)ボソッ

「挑戦!競馬革命」(角居勝彦、宝島新書) POGで馬を選ぶ場合、預託厩舎を結構気にするほうである。私の場合、角居厩舎はA級にランクされている。ので、書店で見つけた時は中身も見ずに買った。角居師は藤澤、森、松田国師を尊敬されているようだが、こ…

日本人もなかなかやる

「新編おらんだ正月」(森銑三・著、小出昌洋・編、岩波文庫) 昨年末、久しぶりに図書館へ行った。真っ先に行った「数学」のコーナーで見つけた本。「正月」という言葉が入っているので、今年の「読み始め」に借りてきた。これは戦前「子供の科学」という雑…