「斜陽族」って死語だよね

TAD-O-TAD2008-01-27

「斜陽」(太宰治新潮文庫
「貧乏!あれが!今度「レ・ミゼラブル」持って行くからな!」(そういえばお前、仏文やろ)。
それはさておき。「名家に生まれる。でも麻薬中毒。女、とっかえひっかえ。最後に自殺。」誰が読んでも太宰の人生の集大成、ってことになるだろう。しかし、もしこの作品が太宰以外の人間が書いたとしたら、ここまでもてはやされるか?文学に「もし」はないかもしれない。だとしても、やっぱり、太宰個人のエピソードをなかったことにしてこの作品を読むと、(そんなにたいした作品ではない)と思ってしまうのだ。それは私が「没落貴族」を実感として知らないからだろうか?かず子(オレはこの女、嫌いや。思い込みが激しくて、泣き虫で。mixiの議論コミュあたりにうようよいそう)のいわゆる「革命」にしても、今の女性にしてみれば「普通のこと(でもないだろうけど)やからね」ってつっぱねられそうな気がする。


この作品と「人間失格」は小説の出来というより、作者のキャラで読まれているという気がしてならない、と言うと言い過ぎか。でも私自身は作者のキャラが面白いのでこれらの作品を読むのだ。