真の解決にはなってませんが

TAD-O-TAD2009-03-03

“It”(それ)と呼ばれた子―完結編さよなら“It” (ヴィレッジブックス) (文庫)
デイヴ ペルザー (著), 田栗 美奈子 (翻訳)

主人公は成人し、当たり前だがもう虐待は受けない。結婚し離婚し再婚する。空軍に入隊した後作家としての道を歩む。平凡ではないけれど、幼い頃の想像を絶する虐待に比べればそれほど読者の心を動かすものもない。


主人公と共に私も知りたいのは、「何故彼が、彼だけが虐待を受けたか」ということ。そしてそれは最後に母の口から語られる。ネタバレだから書かないけど。主人公は納得したようだ。でも私は納得しない。その原因のさらに原因があるだろう、と。しかしそれは言っても仕方がない。この3冊の本は彼の手記であり、専門書ではないのだから。


というわけで、3冊読んだ感想としては、「児童虐待について考えるいいきっかけになる本」というのが正直なところ。さらに突っ込みたければ新書→専門書といけばいい。ただ私に関して言えば、今の読書状況ではそこまで出来ない。周りに事例があれば、もしくは将来里親になるつもりなら少しは違うのだろうが。とりあえず一旦置いておくことにしようと思う。