コンピューター将棋ソフト

TAD-O-TAD2007-09-26

「ボナンザVS勝負脳」(保木邦仁渡辺明角川oneテーマ21
今年の3月、コンピューター将棋ソフトのボナンザと渡辺明竜王が「平手で」勝負する、と聞いて、私は驚いた。つい数年前まで、コンピューターの将棋ソフトと言えばまだアマ二段か三段ぐらいだったからだ。確か小学生(か中学生)の頃の渡辺少年が「弱くて相手にならない」とテレビで語っていたことを思い出す。それが「名人」とならぶ「竜王」の称号を持つ渡辺青年と「平手で」対戦するというのだ。コンピューターの進歩はかくも凄まじいものなのである。将棋はやはり竜王が勝った。ただ苦しい場面もあったようだ。私は早速棋譜を取り寄せて並べてみた。実力アマ5級程度の私には分からなかったが、心はざわざわしていた。
この本ではソフトを開発した側(保木さん)とプロ側(渡辺竜王)がお互いの矜持を張り合っている。保木さんは「将棋の神様と呼ばれるコンピュータ将棋が生まれるものと私は信じている。」と書けば、渡辺竜王は「将来の進化したコンピュータでいくら時間をかけても必勝法の発見は無理なのでは、と私は思っている。」と書く。その理由付けが面白いのだが、ここには書かない。
私が思うことと言えば、ボナンザはベースとして十数万局(数十万局?)の「人間の」棋譜を使っているというのが気に入らない。もちろんそれをどう料理するかがソフト作成者の腕の見せ所なのだろうが、もともとは人間の棋譜なのだ。コンピュータ将棋と言うからには、ゼロからコンピュータでやれよ、と言いたくなる。まあそれでも人間vsコンピュータの将棋対決、面白くなってきた。おそらく私が死ぬまでには決着がついているであろう。楽しみである。