【ネタバレ】悪魔の手毬唄【注意】

TAD-O-TAD2009-02-05

今年の初読書は「谷崎源氏」と決めていたので、とりあえず「桐壺」だけ読んだ。少しずつ読んで、年内に読了したい。
さて、1月5日だったか、2年ぶりに「稲垣金田一」の登場。今回は「悪魔の手毬唄」。今回は5作目である。その感想を少し。(もちろんドラマを観た後、原作を読み返した。だからこれが今年の読了1号)。


横溝正史の「見立て殺人」では「獄門島」が有名だが、私はアレにはかなり無理があると思う(詳しくは書かないけど)。その点「悪魔の手毬唄」のほうが無理がない。殺人の動機もこっちのほうがより深い。


さて、ドラマのほう。ここからはホントにネタバレですよ。
まず村の青年団による「青い山脈」の合唱に(あちゃー)と思った。なんかすごく寒い漫才を聞かされているみたいで。狙いとしては歌名雄の歌唱力をアピールするという伏線だったんだろうけど。あとは「ゆかり御殿」が前作「悪魔が来りて笛を吹く」の「おこま」級のサプライズ。まるで竜宮城。映像だから多少派手にしなけりゃならんのは解るけど、ちょっとやりすぎ。最後のケチはやはり手毬唄。もう少しそれらしく出来なかったか。「悪魔が来りて〜」のフルート曲がかなり良かっただけに残念だ。
と、ケチを付けるのはこれぐらいにしておいて、全体としては概ね原作に忠実で良かったと思う。大きく変えられているのは犯行の全貌を明かすシーンで、原作ではリカが投身自殺してから金田一がみんな前で明かすことになってるのだけれども、ドラマではリカ(かたせ梨乃)と金田一が放庵の庵で対峙する形で(橘署長(塩見三省)も同席)行われている。映像的にはこっちの方が当たりだろう。村人から「人のいい」と言われていたリカがどんどん壊れていくさまにすごく惹きつけられた。これだけで観る価値があったと思う。
細かいところを数点。里子は殺害されてから衣装を剥ぎ取られる(千恵子の身代わりになったことを覚られないため)のだが、さすがに無理だったな。千恵子(大空ゆかり)が通夜で「枯葉」を歌うシーンは省かれてましたね。それから日下部是哉はいいキャラだと思うけど、登場しませんでしたね。


さて、次はなんでしょうか。「悪霊島」や「病院坂〜」をやるには稲垣君は若すぎると思うし、メジャーどころでは「本陣殺人事件」(でもこれはつまらん)、か「獄門島」なんでしょうけど、私は「迷路荘の惨劇」を希望します。