虐待

TAD-O-TAD2009-02-26

mixiには読んだ本はこちらにアップする宣言をしていた(はず)のですが、なかなかできていません。週末は実家でできないので、とりあえず1冊だけ。


Itと呼ばれた子―幼年期 (ヴィレッジブックス N ヘ 1-1) (文庫) デイヴ・ペルザー (著), 田栗 美奈子 (翻訳)


児童虐待について書かれた本。ボイラー技士資格取得のための社内講師をしているのだが、その教え子から勧められて読んだ。全3冊。
この「"It"と呼ばれた子」は主人公(作者)の幼年期で家庭において酷い虐待を受けていた時の事を思い出しながら書かれている。おそらく後から想起した面もあると思うが、虐待のやり方がかなり陰惨で、気の弱い人なら読むのを止めたくなるだろう。私は「中国残酷物語」(山口椿幻冬舎アウトロー文庫)なんてのを読んだ経験があるので平気。まあでもこの辺はいわゆる「つかみ」の部分だな。読んでいくといろいろな疑問にぶち当たる。

アルコール依存症と虐待とに何らかの相関はあるのか?
・なぜ3人兄弟のうち彼(真ん中)だけが虐待の対象になるのか?
・父親はなぜ虐待に走る母親を嫌悪しながら止められないのか?
・にもかかわらず後に2人の子供をつくる(性的交渉は断ってない)のはなぜか?

まあ、この本は専門書ではないので、答えてくれなくても結構なのだが、いろいろ惹き付けられるのは確かだ。このご時世、虐待と精神病理学あるいは心理学とがコラボした本はいっぱい出ているので、一度読んでみたいと思う。