蟻とか細菌とか…女とか

TAD-O-TAD2009-04-28

砂の女」(安部公房新潮文庫

インドのジャンケンは人差し指と親指と小指でやると聞いたことがある。人差し指は人間。親指は象。小指は蟻。人間は蟻に勝つが、象に負ける。必然的に象は蟻に負けるのだ。小さいものが大量にやってくるのは、怖い。究極は細菌兵器だろう。


安部公房はなんとなく敬遠していたのだが、読んでみると面白い。この「砂の女」も断片、断片では言いたいことはいろいろあるのだが、全体的に「どう?」と訊かれたら返す言葉がない。
結局、人間はどこにいようが、目に見えない砂に侵されているのかもしれない、とか、大きな悲しみから逃れるためには単純作業に没頭するのが一番だ、とか、「依存または執着」のこととか、「三十前後の女の性欲について」だとか、本当に断片的にしか読めなくてイヤになってしまう。


でもまあ、面白ければいいや、というのが私が本を読んでいる理由。