早熟なのか普通なのか

TAD-O-TAD2009-07-02

肉体の悪魔」(ラディゲ、中条省平・訳、光文社古典新訳文庫

原文のタイトルは"Le diable au corps"。どこかで聞いたことがあると思った人は漱石ファン、かな。「三四郎」の中の学生集会の場面で誰かが、"Il a le diable au corps"と叫ぶ場面がある。「三四郎」が1908年、「肉体の悪魔」が1923年だから、漱石がパクったわけではない。フランスではよくある表現なのであろうか?まあ、そんなことはどうでもいいのだが。


ジョークの世界ではフランス人は「好色」だったかな。ユダヤ人は「ケチ」でポーランド人は「マヌケ」とか。「好色」が良くないなら「アムールの国」とでも言いましょうか。


この小説は15歳の少年と19歳の人妻の不倫を書いたもの。当然少年に生活力などないわけで。でもそんなことより「アムール」が大事。自分には決して出来なかったことを「ふ〜ん」と思いながら読んでました。