「今夜、すべてのバーで」(中島らも、講談社文庫) 家の中に未読の本が百冊以上(いや、数百冊かもしれない)あるのに、繰り返し読む本もある。この本を読んだのもかれこれ十数回目だ。それはオレが酒飲み(今はそれほどでもないが、以前は半アルコール依存…
「狂人三歩手前」(中島義道、新潮文庫) 感想を書こうと思ったら本が出てこない。先日東京遠征した時に読破した本。だからもう2ヶ月ほど前。このブログの滞り具合が分かってもらえるというもの。 まあ、とりあえずこの著者の作品を読むと心が癒される。怒る…
私の長男はなぜか数学の成績が悪い。彼のじっちゃん(私の実父)は数学の教師(中学)だというのに。今年度は少し鍛えてやろうと思っている。 「天才の栄光と挫折 数学者列伝」(藤原正彦、文春文庫) メジャーな人もいるが、たいていマイナーである。飛ばそ…
「書斎の競馬学」(山本一生、平凡社新書)馬券を離れた競馬本は近頃下火かな、と思っていたところに本屋で見つけたので即買った。「競馬学」としてあるが、特に学問的な意味あいはない。それぞれ独立した11のお話から成っている。「競馬学」という言葉が好…
「眼球譚(初稿)」(オーシュ卿(G.バタイユ)、生田耕作・訳、河出文庫) 「べっぴんぢごく」のところで「暗いエロス」と書いたら、業者と思われる人々からコメントが入りまくりです。せっせと削除しているのですが。「性」を売り物にした商売は未来永劫…
「プルーフ・オブ・マイライフ」 借りた本を返してしまったので著者も訳者も分からん。Amazonにもなかったし。 「博士の愛した数式」(小川洋子、新潮文庫)もそうだったけど、何故か数学者は変人もしくは奇病の持ち主と描かれることが多いような気がする。…
“It”(それ)と呼ばれた子―完結編さよなら“It” (ヴィレッジブックス) (文庫) デイヴ ペルザー (著), 田栗 美奈子 (翻訳)主人公は成人し、当たり前だがもう虐待は受けない。結婚し離婚し再婚する。空軍に入隊した後作家としての道を歩む。平凡ではないけれど、…
Itと呼ばれた子―少年期ロストボーイ (ヴィレッジブックス N ヘ 1-2) (文庫) デイヴ・ペルザー (著), 田栗 美奈子 (翻訳) 虐待されていた主人公はある日学校経由で警察に通報され、強制的に両親から隔離される。 さて、日本でも同じようなことが出来るのだろ…
mixiには読んだ本はこちらにアップする宣言をしていた(はず)のですが、なかなかできていません。週末は実家でできないので、とりあえず1冊だけ。 Itと呼ばれた子―幼年期 (ヴィレッジブックス N ヘ 1-1) (文庫) デイヴ・ペルザー (著), 田栗 美奈子 (翻訳) …
今年の初読書は「谷崎源氏」と決めていたので、とりあえず「桐壺」だけ読んだ。少しずつ読んで、年内に読了したい。 さて、1月5日だったか、2年ぶりに「稲垣金田一」の登場。今回は「悪魔の手毬唄」。今回は5作目である。その感想を少し。(もちろんドラマを…
「べっぴんぢごく」(岩井志麻子、新潮文庫) 「明治、乞食、岡山の寒村」 もうこれだけで「あああぁぁぁ」となってしまう。 代々女しか生まれない家。明治から平成に続く六代の女たち。 美→醜→美→醜?→美→醜 この中には性のタブーが(全部ではないが)ふん…
「野球の国」(奥田英朗、光文社文庫)あちらこちらに出かけて行って「野球を観てきた」紀行エッセイ。2002年に書かれているので、今読むとちょっと懐かしい気分になれる(金本がまだ広島にいる)。他にも作者のこだわりがちらちら見受けられる(映画とかホ…
「擬似科学入門」(池内了、岩波新書)ウチの居間のエアコンには「マイナスイオン発生機能」がある。使ったことはないが。何でそんなモノを買ったのかというと、当時(2000年)のエアコンは「マイナスイオンにあらざればエアコンにあらず」的な風潮だったか…
「巨人軍に葬られた男たち」(織田淳太郎、宝島SUGOI文庫)プロ野球の「讀賣巨人軍」には正力松太郎が掲げたという、「巨人軍憲章」なるものがあるらしい。それによると…「巨人軍は常に強くあれ」 「巨人軍は常に紳士たれ」 「巨人軍はアメリカ野球に追いつ…
「八甲田山死の彷徨」(新田次郎、新潮文庫) トップに立つ者がアホやとどういうことになるのか。 生死のかかった場面で精神論を掲げることがいかに危険であるか。 絶対服従ということがいかに理不尽なことであるか。 他にもあるけど、とりあえずこれぐらい…
久しぶりの日記(?)です。 「破滅−梅川昭美の三十年」(毎日新聞社会部編、幻冬舎アウトロー文庫)私は1966年生まれなので、「あさま山荘事件」の時にはすでに生まれていた。しかしこの事件の記憶は全くない。私が物心ついてから起こった最初の社会的重大…
「水に似た感情」(中島らも、集英社文庫) 中島らもは、「躁」状態になると万能感に浸ると言っているが、私は少し違う。私の場合は「強い正義感」が溢れ出てくる。だから少しのルール違反、マナー違反が許せなくなる。信号無視に対してはクラクションを鳴ら…
「聖(さとし)の青春」(大崎善生、講談社文庫) 「聖」とは、平成10年8月8日29歳で亡くなったプロ将棋棋士、故村山聖八段(贈九段)のことである。 子供の頃からネフローゼを患い、大人になってからは進行性膀胱ガン→腎臓と膀胱を摘出→ガンの再発といった…
「731 石井四郎と細菌戦部隊の闇を暴く」(青木冨貴子、新潮文庫) 第二次世界大戦中の「関東軍第七三一部隊」についてのノンフィクションで有名なのは、森村誠一氏の「悪魔の飽食」(現在では「新版」として角川文庫)である。「悪魔の飽食」が「戦争の悲惨…
「松蘿玉液」(正岡子規、岩波文庫) いわゆる正岡子規の四大随筆の一番目。「仰臥漫録」のころはすでに起き上がることも出来なかった子規だが、この随筆は「病やや間あり、杖にすがりて手のひらほどの小庭を徘徊す。」という文から始まる。舌鋒も鋭い。伊藤…
「コースの鬼!コースの読み方&全G1レース解析編」(城崎哲、競馬王新書) 読み始めて、洋芝と野芝の話が延々と続くので、いつ終わるか不安になった。そんなことを知ったところで、どう馬券に結びつけられるのか?(第1,2章) あとは事象の説明。(第3,4…
「『書』を書く愉しみ」(武田双雲、光文社新書) 私のお習字もサボリ癖がついてしまって、もう去年の9月からやってない。気が付けば2月である。調べたところによると、地元の公民館で木曜の18時半から書道教室をやっているらしい。入ろうかどうしようか考え…
「はじめまして数学【3】二階建ての数「分数」の世界」(吉田武、幻冬舎文庫) 3巻目にしてようやく分数(有理数)が語られる。なんと虚数よりも後に。このあたりが、この著者の素晴らしいところだと思う。ちゃんと筋道が立っているのである。しかも分数の計…
「もし僕らのことばがウィスキーであったなら」(村上春樹、新潮文庫) とあるブログで紹介されていたので、すぐ買ってすぐ読んだ。 ウィスキーをテーマとしたアイラ島(スコットランド)とアイルランドの旅行記。奥様の写真も併せて載せられていて豪華。 私…
「斜陽」(太宰治、新潮文庫) 「貧乏!あれが!今度「レ・ミゼラブル」持って行くからな!」(そういえばお前、仏文やろ)。 それはさておき。「名家に生まれる。でも麻薬中毒。女、とっかえひっかえ。最後に自殺。」誰が読んでも太宰の人生の集大成、って…
「はじめまして数学【2】ベクトルをまわせ、ドミノを倒せ!」(吉田武、幻冬舎文庫) 昨日の続き。どうやら小学生向きらしい。どうりでやたらとふりがながふってあるわけだ。しかし、副題の「ベクトルをまわせ」に伴って「虚数」が、「ドミノを倒せ」に伴っ…
「はじめまして数学【1】自然数を追え、無限を掴まえろ!」(吉田武、幻冬舎文庫) 昨日図書館で借りてきた本のうちの1冊。初出はどこか分らないのだが、多分中学生向けかな。大人でも、苦手だった数学にちょっと触れてみようかな、という人にはオススメ。…
「猫と庄造と二人のおんな」(谷崎潤一郎、新潮文庫) 実は今年の読み始めはこの本にしようと思っていたのである。ネズミ年だから(-。-)ボソッ。「吾輩は猫である」でもいいが、長いわりにはそれほど面白くないからね。この本はなかなか面白い。 舞台は戦…
何に「美」を感じるかは人それぞれ。ただ、モネの絵画に「美」を感じる人は多いけれども、数学に「美」を感じる人はその10分の1もいないだろう。 両方、両方よ… 何年か前、「博士の愛した数式」(小川洋子、新潮文庫)がベストセラーになり、映画にもなった…
「挑戦!競馬革命」(角居勝彦、宝島新書) POGで馬を選ぶ場合、預託厩舎を結構気にするほうである。私の場合、角居厩舎はA級にランクされている。ので、書店で見つけた時は中身も見ずに買った。角居師は藤澤、森、松田国師を尊敬されているようだが、こ…